トニー・マサキ ライフブログ~メソード・ハピネス~

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名優アル・パチーノが『ゴッドフォーザー』で魅せた演技の本質

   


皆さん、こんにちは!

俳優にとって、役を演じるためには、人間理解と分析が必要不可欠になってきます。与えられた台詞を覚えて、それらしく話す・流暢に話す・聞き取りやすく話すということも、もちろん大切です。しかし、それだけでは真実味のある演技の実現は不可能です。

では、どのようなアプローチをするかです。
基本的には、戯曲や台本というのは、登場人物の会話で構成されています。世界的にもっとも有名なシェイクスピアの戯曲を読むと解りますが、会話文の記載が大半を占めています。「台本」と言えるものの殆どは、役がどういう人生を歩んできたかだとか、役の経歴を数ページも割いて記載されていることは、まず無いでしょう。

 

そこで、俳優は与えられた役の台詞を良く読んで、この人物の性格、趣味、癖、家庭環境などイマジネーションを駆使して読み取ることが求められます。「会話文からの限られたヒント」でしかないので、読み取るのが難しい面もあります。しかし、逆に言えば、会話の「」を読み取って、役の人物像を追求する作業は、俳優のとっての楽しみと喜びでもあります。

 

「この人物は、この台詞から、こういう人物なんだ!」と、新たな発見があったとき、その役が自分にグッと近づくことになります。親近感が生まれ、リアリティーのある演技への近道ともなります。
つまり、演技において、もっとも大事なのは、いかに台詞を上手く言えるかどうかではなく、その台詞を「なぜこの人物は言うのか・言わざるを得ないのか?」という問いに答えを見出すことです。

 

人の発言や行動には、すべて『動機』が存在します。そのようにせざるを得なかった欲求です。つまり、人生そのものです。役が根本的に持つ心の強い欲求に、俳優自身も率直に従った時、どの台詞や振る舞いにも『強烈なリアリティ』が伴います。すなわち真実味のある演技が生まれる瞬間です。

 

こうした役の『動機』に基づいた行動を見事に役で表現しているのが、フランシス・フォード・コッポラ監督作品『ゴッドファーザー』におけるアル・パチーノさんの演技です。マフィアの家系に生まれながらも海兵隊大尉である(アル・パチーノさん演じる)マイケルは、決してマフィア家業とは無縁であることを誓います。しかし、父のドン・コルレオーネが襲撃を受けて病院に運ばれた新聞記事を見て、彼の当初の気持ちが急変します。

この時点から、マフィアの家系を継ぐ道にマイケルが進んでいくわけですが、アル・パチーノさんの演技が役の強い動機と結びついているため説得力に満ちています。
ドン・コルレオーネが命の危険にさらされたということは、家系の存亡の危機と同じ意味です。「家系を何とかして存続させなければ!」という思いに、心の火が点いたかのようなマイケルの突然の行動変化。

 

そうした心境の突然の移り変わりを、マイケルの『強い動機』に基づいて、アル・パチーノさんが見事に表現されています。役の動機とは、「(役自身が)どうしても自分は人生において、こうしたい!」という根幹を成す思いです。その動機を俳優がリアルに掴むと、どのような台詞も、どのような振る舞いも、台本の設定に完全に一致した表現に向かいます。

映画の中盤で、マイケルがレストランに忍び込み敵を暗殺する場面は、秀逸なシーンです。マフィアという悪の道に進むキッカケの名シーンです。このシーンで、観客にハラハラ・ドキドキ感を生むのも、「家系の存続を背負う意識で心が充満したマイケルの心境」がリアルに表現されているからこそです。

 

役の動機を完全に掴む演技。それは、まさに演技の本質であるとも言えます。
「自分は、どうしても、これがしたくて堪らないし、止まらないんだ!」という思いが終始表現されている演技は、映画や舞台においても、すべてスペシャルな表現に繋がっています。

そうした観点からも、ぜひ作品を鑑賞することをオススメします。作品の鑑賞における新しい楽しみ方になると思います!

 

では、皆さん、今日も人生の有意義なステージをお過ごしください!

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