強い思いとプレッシャーの関係性~良質な演技が出来るための条件~

   


皆さん、こんにちは!
今日は、演技を通して学んだ私の体験談を書きたいと思います。

観客が集まり、舞台という『聖域』にて、演技をすることは、基本的には大変なことです。たとえば、俳優や演技に興味もなく、また演劇さえしたことのない社会人の方に、「一ヶ月後に、配役で一人足りないから、出演してほしい。どうかな?」と頼んでも、ほぼ100%に近いかたちで、断られるでしょう。

 

会社員の方々は、上司の前や顧客の前で、自分の意見や取り扱っている商品をプレゼンテーションする機会を持ったことがあります。人前に立って発表することに関して、心理的プレッシャーが起きることを多くの社会人の方々は知っています。

ましてや演劇の舞台や映像で、人を演じるとなると、「これまでに経験したことのない緊張を強いられるのではないか?」と不安になるのは当然でしょう。たとえ演技が好きでたまらない俳優でも、舞台に立ち、人前で役を演じるとき、プレッシャーとは切っても切り離せない関係にあるのは事実です。

 

しかし、そのプレッシャーを乗り越えて、演出家の意図に沿い、観客を喜ばせる演技が出来なければなりません。そのためには、思いが大切になります。この役をリアルに演じ切りたいという思いです。強い願いと言い換えても良いのではないでしょうか?

15年ほど前、私は、ある演出家の方の舞台に参加する機会がありました。その舞台は、全員アメリカ人の俳優をキャスティングして、ニューヨークでも上演されたステージです。その日本公演として、日本人の俳優メインで、上演される運びというなりました。

 

演劇の本場であるアメリカでも評判が良かった舞台で、その日本公演に出演するには、さすがにハイレベルな演出の要求に応えなければならない状況でした。しかし当時、私は俳優活動をスタートして間もない頃でした。他のキャスティングされた俳優の方々は、その演出家の舞台に何度も出演しているベテラン陣。力量の差は、歴然としていました。

そして、私が与えられた役は、非常に特殊なものでした。主人公の運命をもてあそぶ『道化師(=クラウン)』という役です。道化師・クラウンという役を与えられたと聞いて、どうやって演じたら良いか、サッパリ解りませんでした。

 

道化師について書かれた本を読んだりして研究はしましたが、それをどのように役に投影すれば良いかも不明瞭・・・。力量も経験値もないため、自信もなく、それだけにプレッシャーも強くのしかかったのも覚えています。まるで暗闇の中を歩いている感じでした。

 

そして、いざ全体練習のスタート。
演出家の指導は非常に厳しく、私の演技に関しても、ダメ出しが続く毎日。他の俳優の方々の演技力と比べてしまい、自分の至らなさに落ち込む時間が多くありました。

ところが、ある共演の俳優の方に、「あなたは、思いがあるから、必ず良い演技が出来るよ!」とアドバイスを頂きました。これは、とても勇気を頂きました。たしかに、当時の私には、この舞台に駆ける「思い」がありました。

「なんとしても、この舞台にて良い演技をして、ステージを成功させたい!」という思いは、強かったことを覚えています。その強い思い(願い)があったからこそ、演出家に厳しい指導や要求を突き付けられても、めげずに続けることが出来ました。

 

そして、結果的に、どうだったか?
『道化師(=クラウン)』という難役を成立させて、演出家に認められ、舞台に無事立つことが出来ました!まさに、アドバイスをいただいた俳優の方の言葉そのものになりました。

もし、私に『強い思い』がなかったら質の低い演技で終わっていたことでしょう。舞台に立つ上で必ず訪れるプレッシャーに押しつぶされたかも知れません。
しかし、『強い思い』があれば、プレッシャーを克服し、良い演技が成立します。

 

仕事においても同じことが言えるでしょう。
「この商品(あるいはアイデア)を何としても広めて、お客さんに使ってもらうんだ!」という思いがあれば、少々の壁に当たってもめげずに、その壁を乗り越えて、好結果を生むことが出来ると思います。

自らの固い決心や信念をどのように目の前の仕事に向けるかどうか。
『強い思い』は演技にも、社会生活においても、重要なキーワードになると思います。
このブログ記事が、広く社会で働く皆さんの参考になれば、幸いです!

 

では、本日も、素晴らしい人生のステージをお過ごしください!

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