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役を演じるためのアプローチ法 PART②~役の内面を掘り下げる!~

      2016/07/10


皆さん、こんにちは!
7月5日(火)に当ブログで掲載しました『役を演じるためのアプローチ法~まずは、ここからスタート!~』に続きまして、今回はPART②~内面を掘り下げる!~です。

 

前回のブログ記事をおさらいすると、まず初めに与えられた台詞を覚えて声に出す際に、『色を付けない』ということです。流暢に台詞が声に出せることを徹底すれば十分です。むやみに、癖がついた台詞の読み方になってしまうと、台詞の発し方を演出家に要求された際、即座に対応できない恐れがあります。

(演出家は、自分の意図した指示を即座に実行してくれる俳優を好みます。監督や演出家は、いわば映画や舞台の長であるわけですから、「即座に指示に従ってくれる俳優」を好むのは当然でしょう。もちろん演出家に対して反抗的な態度は、もちろんタブーです。)

また、台詞を発すると同時に、(自分で考えた)ジェスチャーや動きをむやみにプランしないほうが身のためです。「この台詞のときは、こういう仕草をする。」「この台詞のときに、ここに立つ」という風に、先に決めつけないでください。それは、あくまで演出家の仕事です。そのような行いは、不愉快な気分にさせてしまい、演出家が想像力をフルに発揮できない事態にもなりかねません。

 

このように(最初の段階では)台詞を記憶し色をつけず流暢に発することからスタートしてください。そして、ここからがさらに肝心です! これと並行して、役そのものの内面(=性格・人生)を追求する必要があります。ここに俳優の技量と人間理解が問われます。

戯曲やシナリオの多くは、役に対する事細かい説明は書かれておりません。ですから、台詞の内容を読み取って、役の本質に迫るプロセスが必要です。
「なぜ、この役は、このような台詞を発するのだろう?」「このシーンにおける、この台詞を、役が発言してしまう動機は何なのか?」 文脈により、役の性格や人生模様を想像するのです。
(※そのため、やはり台本を何度も読んで分析する作業が必要となってきます。)

 

ここで一例を挙げましょう!
アルバイトの面接のシーンを扱った台本があったとします。面接官に対して必要以上に「待遇」の説明などを質問する学生を演じるとしましょう。
『面接官が呆れるくらいに詳細な説明をせがむ学生』
もしこの学生を演じなければならないなら、この人物を理解するのに、どのような分析が必要でしょうか?

まず、何らかの経済的な事情で、待遇面における詳細な説明を聞かざるを得ない立場に追い込まれているのかも知れません。あるいは、以前の職場で待遇の詳細を聞かないまま勤務してしまったため、給料の不正や不当な扱いを受け失敗した痛い思い出があるのかもしれません。
また、もともと昔からこうした性格で、金銭に関しての執着は親ゆずりで本人も影響を受けているなども想定できます。

 

こうして、文脈から想像した人物像を、手書きやパソコンのワードを使って文章化することをオススメします。特に、この人物が心の中で自らを語っているかのような口語体を文章化すると良いです。文章化することで、何度も確認もできますし、役についての新しい発見を明確化することにもなります。
(※記憶頼みでは、重要なことを忘れる可能性も大きいです。)

つまり、役の『心の叫び』を文章化するのです。これは、誰かに見せるべきものではありません。あくまで個人的な秘密のアプローチとして温存しておいてください。そうすることで役そのものへの自己追求心がコアに強化されます!

 

台詞の暗記と同時に、役の内面への追求を同時並行で準備する必要性があります。鍵を握るのは、俳優の持つ想像力に他ありません。どのような役も、「この台詞をなぜ言うのか」という個々の理由があり背景があります。それを深く知って追求することで、役の本質を知ること出来ます。
役の内面を掘り下げることは、役作りの根幹となるものに違いありません。

今日は、ここまでにします。

 

皆さん、本日も有意義な人生のステージを満喫してください!

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