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映画『ダークナイト』でのヒース・レジャー~脇役が主役を超えた瞬間~

      2016/07/19


皆さん、こんにちは!

映画や舞台において、まず主役という軸があり、その軸を支える脇役が存在します。一人芝居ではない限り、『メインの役』と、『サブメインの役』、『端役』という構成が一般的でしょう。
しかし時には、メインの役よりも脇役陣が人々を魅力し人気を博すという現象が起きます。

私自身、そうした映画の中の「逆転現象」において、もっとも印象的だったのが、この人です!
クリストファー・ノーラン監督によるバットマンシリーズの映画二作目『ダークナイト』でのヒース・レジャーさんです。

 

この映画での役柄・ジョーカーでの迫真の演技をご存知の方も多いでしょう。
私は、映画『ダークナイト』に関しては、劇場公開時、鑑賞しませんでした。(というか、まったく当時興味がなかったとも言えます。)

ところが、このジョーカー役で、ヒース・レジャーさんがアカデミー賞助演男優賞を受賞した情報を聞き、驚きました。この作品が、典型的な娯楽映画でもあり、そしてヒース・レジャーさんが受賞した時点で、既に故人であったことです。

 

「これは、凄い。何かある?」という思いが走り、DVDをレンタルして鑑賞しました。
鑑賞後、高い評価をされるのも納得でした。
人が持つ闇の面をあたかも正当化されるかのような台詞回し。人間が持つ嫌味でシニカルな面をジョーカーというキャラクターを通して、(繊細かつ大胆に)表現していました。

観客を魅了する演技には、ある共通点があります。それは、役が発する台詞(発言)に、まるで同調してしまうかのような「錯覚」をもたらす演技です。
「もしかして、ジョーカーが放つ社会への批判的発言が的を得ているのかも?彼の意見も、一理ある・・・。」
バットマンに対して朗々と語るジョーカーの発言には、悪役ながらも説得力が籠っています。

 

エンターテイメント性の高い娯楽作品の登場人物で、しかも悪役。その役で、アカデミー賞助演男優賞を獲得したということは、映画史において、とても意義が深いと思われます。
「娯楽作品だから、、、。」「ファンタジーだから、、、。」「子供が対象の映画だから、、、。」というレッテルを打破し、素晴らしい演技は、ジャンルを問わず評価されるべき!
このように、演技に関する評価の在り方に一石を投じた迫真の演技です。

 

「主役よりも、脇役のキャラクターが魅力的!」と思わせる映画である場合、観客にとっては『特典』を感じるわけです。主役が目立つのは当然ですが、映画の脇役が光ると、「まさか、この役が、これほど素晴らしいとは!?」という驚きをもたらします。その「まさか!」が嬉しいものです。

映画『ダークナイト』は、こうした『特典』を感じさせる作品の典型だと私は思います。その立役者こそ、ヒース・レジャーさんであり、ジョーカーのキャラクターです。
脇役の演技の質こそ、一つの作品を重厚にすることを、ここから学ぶことが出来ます。

 

主役であろうが、脇役であろうが、端役であろうが、確かな演技力をもって役に挑まないといけません。
観客にあたえる『特典』が付加されるからです。
「映画『ダークナイト』の主役は、ジョーカーなのかも?」と思わせるくらいの俳優が持つ強力なエネルギーの証明
脇役が主役を圧倒するくらいの迫真の演技が成立すれば、その映画の質が格段にグレードアップする事実。ヒース・レジャーさんは全身全霊で示してくれたのかも知れません。

改めて、ご冥福をお祈りします。

 

それでは皆さん、今日も人生の貴重なステージをお過ごしください!

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