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映画『ハドソン川の奇跡』~クリント・イーストウッド監督の、『人間愛』を軸にした秀作~

      2016/10/09


皆さん、こんにちは!
クリント・イーストウッド監督、トム・ハンクス主演の最新作『ハドソン川の奇跡』についての私的映画評論を、本日ブログ記事として掲載したいと思います。

 

2009年1月15日、真冬のニューヨークで、(トム・ハンクス演じる)ベテラン操縦士サレンバーガー機長が操縦する航空機が、離陸後、突然全エンジン停止のトラブルに見舞われる。

アーロン・エッカート演じる)副操縦士との協力で、ハドソン川に不時着を決意。高度な運転技術により、奇跡的に全員無事に。しかし、全員救助の結果をもたらしたにも関わらず、川への不時着の判断を疑問視する国家運輸安全委員会から、サレンバーガーは厳しい追及を受けることになる。果たして、機長は、英雄なのか、容疑者なのか・・・。

その顛末を、実話に基づいて、クリント・イーストウッド監督が見事に描いています。

 

クリント・イーストウッド監督は、『アメリカン・スナイパー』や『父親からの星条旗』、『ミリオンダラー・ベイビー』など全ての監督作品からも明確なように、常に「人間の側」に立った映画づくりをされています。

観客の良心を感化させてくれるヒューマニティー溢れる映画づくりを信条とされていることが、本作でも伝わってきます。(※ご自身も、昨今のあまりにも商業重視すぎるハリウッド映画について、嫌悪感を抱いていると以前、インタビューでも語ったようです。)

 

私自身、クリント・イーストウッド監督の作品を鑑賞するたびに、鑑賞後も、人間としての在り方や、人が持つ本当の愛情に関して、深く考えさせられる機会を持ちます。

「人としての本当の生き方とは何か?」を思考させる機会をクリント・イーストウッド監督から与えられているかのようです。この作品も、同様でした。

 

映画『ハドソン川の奇跡』は、奇跡の不時着と、その後の心の葛藤、そしてどのような結末に至ったかという(実在の人物である)チェズレイ・サレンバーガー機長の半生を淡々と描いています。実に、秀逸な作りとなっています。

 

主演のトム・ハンクスさんと、助演のアーロン・エッカートさんの演技は、こうした状況下に置かれた機長と副操縦士の心境を非常にリアルに演じています。「もし自分が同じ立場に立ったら、おそらく、同じような悩みと苦しみを抱えただろうな」という同調をもたらしてくれる演技だと私は思います。

 

そのリアルな演技をバックアップしているのは、クリント・イーストウッド監督の演出力であることは、間違いないでしょう。「この監督なら、素晴らしい演技が出来る」という絶大なる信頼感が、画面を通して、明確に見てとれます。

(※その信頼感は、先日ご紹介したスピルバーグ監督『ブリッジ・オブ・スパイ』でのトム・ハンクスさんの演技にも、共通項を見出すことが出来ます。)

 

人間愛を醸し出す映画には、その作り手となる監督、俳優、スタッフにも、深いヒューマニティーが備わっているということなのでしょう。作り手の精神性が、ヒシヒシと伝わってくる映画です。

ハドソン川に不時着するという選択と決断、その後に生じた心の葛藤を、ただシンプルに描写されています。しかし、その根底には、この事故に関わった機長、副操縦士、スチュワーデス、乗客、幾人もの救助作業員へのイーストウッド監督からの『愛情』と『人間賛歌』が流れています。

 

この作品の主題(テーマ)は、当時、事故に関わった人々への尊敬心であると私は思います。そのテーマは、本作で、見事に体現されています。

 

邦題では、『ハドソン川の奇跡』ですが、原題は「Sully(サリー)」だそうです。サリーとは、つまりサレンバーガー機長のことです。私は、この原題が素晴らしいと思いました。この原題にこそ、イーストウッド監督の映画で『人間愛』を描きたいという心情が伝わってくるからです。

 

私の映画評は、ここまでにしておきましょう。
皆さん、ぜひ本作を鑑賞するために映画館に足をお運びください! 鑑賞を推薦致します。

 

では、皆さん、本日も人生のステージを有意義にお過ごしください!

 

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