米俳優ショーン・ペンがアクション映画に初めて出演~私の感想~
2016/07/04
皆さん、こんにちは!
今日は、映画について、ひさしぶりに書きたいと思います。
米俳優ショーン・ペンさんが出演した『ザ・ガンマン(THE GUNMAN)』
「アクション作品での初主演」とありましたので、鑑賞しました。
ショーン・ペンさんは、演技派俳優として、現在世界屈指の存在であることは間違いないでしょう。
たとえば、アカデミー賞主演男優賞を獲得した映画『ミルク』での演技。
自らゲイであることを公表した活動家ハーヴェイ・ミルクの生涯を演じ、そのリアルな演技に驚嘆しました。
「実際のゲイの方々以上にゲイそのもの。ハーヴェイ・ミルク氏以上に本人そのもの。」
そのように思わせるくらいの演技であり、高度な演技レベルのさらに一歩上に到達されていると思いました。
そんなショーン・ペンさんが挑んだアクション映画が本作。
私の率直な感想ですが、(映画の出来栄えとしては)他のアクション映画とさほど変わらないものだと思われます。
しかし、やはりショーン・ペンさんが出演されたことで、「アクション映画というジャンル」という枠組みには当てはめにくいなぁというのが感想。
その理由は、ショーン・ペンさんの、役に対する内面の掘り下げの強さです。
過去に犯した罪の意識に苛まれる人生模様。場面・場面において、役の抱える鬱屈さが、演技的に突出していると思いました。他の俳優が同じ役を演じていたら、また作風がガラリと変わったでしょう。
カーアクション、ガンアクションが、全編を通して散りばめられています。
そうした派手なアクションシーンの連続はあくまで表面上のもの。映画の根底には、主人公の人生模様が強く流れているという印象です。
映画そのものが、主人公の人間ドラマ色を濃くしたのは、ショーン・ペンさんの『内面アプローチの強さ』でしょう。(※主人公が病に侵されている様も、ありありと表現されています。)
私にとっては、アクション映画というカテゴリーより、「ヒューマン・ドラマのカテゴリー」に近いですね。
俳優の演技力が、映画や舞台にいかに影響を与えるか。本作で、垣間見えます。
アクション映画としては、(他の作品と比べて)特に際立っているとは思いませんでした。
しかし、ショーン・ペンさんの役に対するアプローチ(つまり演技)が作品にいかに好影響しているかを知ることができます。
現在、アクション映画は、(いわば)巷に溢れかえっています。
ですが、『一筋縄ではいかないアクション映画』に仕立て上げたのは、ショーン・ペンさんが主演したからに他ありません。
一人の役が抱える罪悪感と後悔の念。病に侵されて常に命の危険にさらされている様。
すなわち『実在感』がある。
役の生き様が、ありありと成立されています。
そこが表されている分、見応えがありました。
では、皆さん、今日も人生の良きステージを!