罪悪感を初めて知った日~高校時代のエピソード~
2016/07/04
皆さん、こんにちは!
今日のブログ記事では、私の高校時代の思い出深いエピソードを紹介します。
当時、高校二年生の5月頃だったと思います。
母校には、食堂がありました。生徒数も多かったこともあり、比較的広い食堂でした。
生徒数が多い分、昼の12時になると生徒が一気に食堂に押し駆け、大混雑するわけです。
食堂には男性店長が一人居ましたが、それ以外にはパートのおばちゃんが数名のみ。
一気に押し駆けた生徒の注文を全て聞いて、短時間で全員のメニューを提供できるわけもいかず、待たされることが毎日続いていました。
毎日、慌てふためきながら、食事を提供していくパートのおばちゃんたち。しかし、ベテランの人が多かったので、待つと言っても、凄く待たされることはなく、連携プレーで次々と注文に答えていました。
おばちゃん独特の気迫が、食堂内に漲っていましたね(笑)
そんなベテランの方々に、一人だけ、新米のおばちゃんが加わっていました。年齢は、60歳目前くらいでしょうか。
声を出して元気な一杯だったのですが、やはり不慣れなだけに、終始あたふた。
でも、「気合だけは負けないぞ!」という感じで、頑張っておられました。
ある日のこと。
相変わらず、食堂は混雑。私は、うどん定食を注文したのですが、たまたま担当が、そのおばちゃんだったので、なかなか注文が届きません。
私は、思わず「おばちゃん、相変わらず遅いな~!」と、ちょっとキツめの言い方をしてしまったのです。
その言葉が食堂の喧騒の中でも聞こえたみたいで、おばちゃんの表情が一瞬に曇りました。
元気な方だったのに、その後は黙々と仕事をしている感じになったのです。
私は食事を終えた後、授業に戻りました。
家に帰宅後です。
夜、布団に入った瞬間、ふと「おばちゃんに、悪いことしたかなぁ・・・。」という心理が過ぎりました。
軽はずみな言葉だったのではないかという気持ちで一杯。それまでは気にもしていなかったのですが、なぜか、この瞬間沸き起こる後悔の念。(※人間心理というのは、そういうものですね。)
次の日の朝、おばちゃんに対して
「今日は、また元気に仕事をしてほしい。」
このように思いながら私は学校に行きました。
ところがです!
昼食のため食堂に向かったら、そのおばちゃんが、どこにも居ません。お休みされていまいた。
「う~ん、昨日の言葉が関係しているのかなぁ・・・。」と、(当時高校生の私は)気持ちが、どんよりしました。
そして次の日、また次の日・・・。3日連続、おばちゃんは出勤せず。
完全に仕事を辞められたと思いました。
残念な気持ちで一杯になりました。
「軽はずみな発言で、人を傷つけるのは、本当に良くないな・・・。」と反省しました。
しかし、週が明けて月曜日。再びそのおばちゃんが出勤していました。いつも通り、声を出して元気に、働いておられました。
おそらく、シフト上か、それとも私用でお休みされていたのでしょう。
今にして思えば、年齢を重ねて、様々な経験をされている方なので、高校生の私の発言くらいで、仕事を辞めるなんて、あり得ないでしょう。
おばちゃんが、元気良く仕事をされているのを見て、安堵したことを良く覚えております。
物心つきはじめた高校生の私にとって、初めて『罪悪感』を感じた出来事だったと思います。
一つの発言によって、人を動揺させるのみならず、自分も嫌な気持ちに成る。
『罪悪感』とは、自分の心に大きなダメージを与えてしまう。その事実を初めて痛感した出来事。
心の痛みを感じることで、自分と向き合う機会を得る。
自己心理の深い面にタッチすることの大切さ。すなわち、『自分理解』であり、『人間理解』にも通じる。
俳優を志すキッカケは、この頃から芽生えだしたのかも知れません。
今なお、印象に残る高校時代の私の思い出です。
では、皆さん、今日も人生の素晴らしいステージをお過ごしください!