「太陽の塔」の内部が、平成29年度に一般公開されます!
2016/10/19
皆さん、こんにちは!
先日、大阪府が平成29年度末を予定として、岡本太郎さん制作「太陽の塔」の内部を一般公開するという記事が新聞に掲載されました。
昭和45年に大阪で開かれた日本万国博覧会のシンボル『太陽の塔』
じつは、この塔には、内部にもアートオブジェがあることをご存知ない方々は、多いと思われます。
内部は、中空になっており、高さ45メートルの「生命の樹」と呼ばれる巨大モニュメントが中心に位置。万博開催中は、パビリオンの一つとして、塔の内部に入ることが出来て、音楽やナレーションを聞きながら、『胎内巡り』のように鑑賞できたそうです。
塔内の展示テーマとして、
●地下ー過去 根源の世界=生命の神秘
●地上ー現在 調和の世界=現代のエネルギー
●空中ー未来 進歩の世界=分化と統合
という三層から成り、エスカレーター、あるいは展望エレベータで登りながら見学できたそうです。
また三葉虫やマンモスなどの無数の古来生物の展示模型が散りばめられていたとのこと。
『人類の進歩と調和』をテーマに掲げられた、この日本万国博覧会。
大阪市など会場周辺の市街地での大規模な道路や鉄道の整備。アメリカ館での「アポロ12号」が持ち帰った『月の石』の展示の混雑ぶり。これらが示すように、来たるべき輝かしい未来を意識した博覧会です。
しかし、なぜ岡本太郎さんは、それに相反するかのような、恐竜などの過去(しかも大昔)の生物などの展示物を太陽の塔の内部に展示したのでしょうか?
それには理由があったそうです。
科学技術を駆使した未来への関心に、あえて地球が歩んできた過去の歴史をぶつけること。
その「ぶつかりあい」にこそ、未来の良さを知り、過去の良さを知り、「現代に生きる人々にとって、生きる上での大切なことは何か」を提言できる。そうした狙いがあったそうです。
ここに、岡本太郎さんの『爆発的パワー』を感じさせられます。
世界各国のパビリオンが立ち並び、莫大な予算も掛けられていた大阪万博。
日本にとって、絶対に成功させなければならない博覧会であったことでしょう。そこに、あえて、岡本太郎さんは、挑戦的な姿勢を見せます。
未来に向かっての進歩がテーマである、この博覧会に、あえて『過去』をぶつける・・・。
言い換えれば、博覧会のテーマとは、まったく逆のことを岡本太郎さんは、『太陽の塔』で実行します。
しかし、その結果は、どうだったでしょうか?
この『太陽の塔』は、大阪万博の象徴として、人々の興味をひき、総入場者数6421万8770人、国際博覧会史上初めて黒字となりました。
博覧会の成功は、岡本太郎さんによる「太陽の塔」に込められた精神性が、大きく影響を与えていると私は確信します。
もし、当たり障りのない造形物を岡本太郎さんが創作していたならば、ここまで博覧会は成功しなかったものと思われます。
『太陽の塔』は、岡本太郎さんによる、人類に対する熱い思いが籠めれています。
そして、ついに来年を目途に、内部が公開されます。
いまなお色褪せることのない、岡本太郎さんからの人類への提言。
それを体感できる機会をいただけることは、大きな喜びです。
この記事が、皆さんの参考になれば幸いです!
では、本日も素晴らしい人生のステージを心ゆくまでお過ごしください!