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エゴが強い人物を演じなければならないとしたら?

   


皆さん、こんにちは!

いきなりの質問ですが、(これまで人生において)自分勝手でわがまま、自己中心的な方々と遭遇したことがありますか?つまり、エゴイスティックな人です。接してみると、その言動や行動に腹が立つ人物です。
私自身ですが、大なり小なり自己中心的な行為を行ったことがあるので、そのような人を見て真っ向から批判することは、なかなか出来ません(笑)

 

人を演じることが仕事、それが俳優です。台本に登場する人物(=役柄)には、色んな性格のキャラクターが存在します。私も数多くの台本に出会いましたが、想像の世界から生まれたものなのでなおさらですが、登場人物の性格は多種多様です。

相手の言動に対して文句を言い続ける嫌味な上司、善人を出し抜き自分の利益にしてしまう人間などなど、(主人公に対して)ネガティブな態度をとる役柄は一つの台本で必ず存在します。主人公に敵対する役が存在するからこそ、『ドラマ』が生まれるわけです。

 

俳優・役者をやる限りは当然ですが、そうした嫌な人間を演じる機会もあります。
その役柄を与えられた俳優自身が、『人の悪口を一切言わない』・『相手をののしったりしない』性格だとします。また、両親に、決して人に迷惑をかける言動を発しないように教育をされて生きてきたとします。

しかし、目の前に与えられた役が、自分の性格とは全く正反対な嫌味な人間であったなら・・・。
「私とは、かけ離れた性格だから、演じることで出来ません!」 そのように演出家や監督に答えてしまったら、仕事は来ないでしょう。チャンスを失うことになります。

ですから、どのような役に対しても、誠心誠意、やり遂げる精神力が必要です。たとえ、自分の性格とは正反対な役でも・・・。
ある俳優にとっては、とてもシビアだなと感じることもあるでしょう。
このように、やりたくない役(=演じたくない役)をどうしても億劫に感じた場合、役づくりに取り組むにも非常に苦しい思いをするでしょう。

 

そうした場合、まず初めに意識改革することを私は薦めます。
例えば、世界で一線級で活躍している俳優の方々は、こうしたエゴイスティックな人物をドカドカと演じています。例えば、マーティン・スコセッシ監督、ロバート・デ・ニーロ主演作品『グッドフォローズ』でのジョー・ペシの演技は良い例でしょう。

気に食わない人間が居たら、暴力に走り殺すことも厭わない。まさに、エゴイスティックの塊のような男が持つ凶暴性を全快に演じています。そして、この演技によって、アカデミー賞助演男優賞を獲得したわけです。

 

つまり、役を通して自らが持つエゴイスティックな面をフルに表したからこそ、批評家や観客から評価を得たということです。観客は、正常に社会生活を送っているならば自らの暴力性を外に表すことはできないでしょう。もし外に表したいと強く思っていても、理性で抑え込んでいます。

だからこそ、スクリーンやステージで、俳優が役を通してエゴを全快にしたとき、観客は、かえって尊敬のまなざしをその俳優に持つのです。

 

ですから、与えられた役がエゴイスティックな性格であった場合、チャンスだと思って良いです。上手く演じることができれば、観客から『高い評価』をされる可能性が高いからです。
こうした視点を持っておけば、意気込みも変わってくるはずです。

このように、主人公に敵対する嫌味な人間を演じることは、俳優としての評価を高める絶好の機会であると意識してみてください。その意識が高ければ高いほど、喜んでエゴイスティックな人物をどんどん演じてみたい要求に変わるでしょう。『苦手の克服』に繋がります。

 

明日は、エゴイスティックな人物を演じるための具体的なアプローチについて書きたいと思います。ご期待ください!
では、皆さん、今日も人生の良きステージを満喫してください!

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 - 演技・演劇