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コメディー要素をどのように戯曲に取り入れるか(PART2)

      2016/07/10


皆さん、こんにちは!
今日は、昨日の続きを書きます。

どのようにして、自分の創作戯曲に『コメディー』を加味するか。そのノウハウに関してをタイトルに、昨日記事を書きました。

 

『物語の世界観の範疇でのコメディー』
ペーソス溢れるセリフやストーリー展開を駆使しコメディー的な要素を加味する。

あくまで、物語の世界観を崩さずに。

 

それを見事に実現しているのは、ロシアの劇作家『アントン・チェーホフ』
昨日は、チェーホフの喜劇台本の秀逸さを説明し、記事を締めくくりました。

はっきり言って、私の台本は、アントン・チェーホフの足元にも及びません。しかし、その見事な戯曲構成にインスピレーションを受けて懸命に書いています。

 

自分にとってのノウハウ。
たとえば、以前書いた台本を一例にしたと思います。

 

ある仏教説話をモチーフに、それを戯曲化することになりました。
あるお寺に、お坊さんと小坊主がいて、二人の問答から物語が始まります。

そのお坊さんは、小坊主に、いくつか質問をします。ところが、小坊主は、どの質問に対しても「わかりません!」と答えるばかり。

何度、聞いても、答えは「わかりません」

まだ幼い小坊主にとっては、お坊さんが与える難しい質問に答えることが出来ないのは無理はありません。それにしても、「わかりません」連発。

純粋に小坊主は、「わかりません」と答える。
最初は、冷静に応対していたお坊さんは、痺れを切らして、このように言います。

「お前、さっきから、わかりません、わかりません ばかりではないか!」
もっと、じっくり考えてから返答するようにと諭します。

ところが、まだ年端もいかない小坊主は、やはり返答に苦労します。

 

そして、その場面の最後に、病気がちのお坊さんは、小坊主にあることを尋ねます。「(どうしても魚を食べないと長生きできない状況にあり)魚を漁師さんから貰い受けてほしい」と。

そこで初めて、小坊主は「わかりました!」と返答します。

「わかってくれたか!そこで、わかりませんと言われたら、(わしも)どうして良いか、わからなかった」と、お坊さんが喜びます。

 

こうした一連の場面の流れを構成しました。

もともとは、お坊さんが健康状態に困り果てて、小坊主に魚を頼むありきたりのシーンでしたが、そこに問答の最中、小坊主の「わかりません」の連発に、お坊さんはあたふたする会話を入れました。

 

これによって、『小坊主の、無知であるが純粋な性格』・『お坊さんとの良き関係を表す』という効果が生まれます。

コメディー要素によって、登場人物のキャラクター(=性格)も明確にさせる。

このシーンからスタートし、物語は展開していきますが、全編を通じて笑いあり・感動ありの舞台が出来あがり、好評をいただきました。

 

『物語の世界観の範疇でのコメディー』
あくまで作品の質を上げるために、コメディー要素が存在する。

自分もその意識をもとに、戯曲を書いていきたいと思います。

 

では、皆さんは、今日も人生の良きステージを!

 

 

 

 

 

 

 - 演技・演劇