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名優の演技から学ぶ『優しさの意味』

   


皆さん、こんにちは!今日は、ある一人の名優と、その演技について書いてみたいと思います。

『ポール・ムニ』というアメリカの俳優(故人)をご存じでしょうか?

1936年の「科学者の道」でアカデミー賞主演男優賞、ヴェネチア国際映画賞男優賞のダブル受賞。他に出演作品は、『暗黒街の顔役』『ゾラの生涯』など。

あの映画『ゴッドファーザー』の主演で知られるマーロン・ブランドさんが最も尊敬した俳優と言われています。(しかし、年配の方でも、この名優の名を知るひとは少ないのではないでょうか。)

 

そのポール・ムニさんの出演映画で、『楽聖ショパン』という映画があります。

歴史に名を残す音楽家フレデリック・ショパン。ショパンの少年時代からの音楽の先生・ジュゼラ・エルスナーという人物を演じていますが、(激動の人生を送る)ショパンをいつまでも心から優しく見つめるポール・ムニさんの演技が、この映画には存在します。

ショパンが音楽会でピアノを弾く姿を袖で見つめるエルスナー先生の表情。

その表情は、ショパンを想う慈悲心に満ち、まるで役を通して、ポール・ムニさん自身が持つ『優しさ』が、そこにありありと表されています。まさに役と自分の一体化。すなわち、優しさの一体化です。

 

そこで問われます。
では、「もし自分が同じような役を演じ、その役が人を想う優しさに満ち溢れた人物であったなら・・・。どのように演じれば良いでしょうか?」 それは、俳優に突き付けられる課題でしょう。

やはり、間違いなく言えるのは、こうした『心優しき人物』を演じるには、自分自身も(日常生活から)人に対しての熱い思い・慈しみの思いを心に抱き、外に表せることが出来る必要があると思います。

 

普段、自分は人には冷たいのに、俳優として、いざ優しき人物をリアルに演じようとしても、そうは簡単にはいかないと思われます。

日常生活で、(つい習慣づいて)人に冷たい態度・素っ気ない態度をとってしまうのなら、それは、すぐに改めるべきでしょう。

そこには、自分の内面を厳しくみつめる意志が必要となります。

自分とは、180度違う人物を演じなければならない時、勇気をもって、これまでの習慣づいた心理面にタッチし改善しなければならない。しかし、その厳しさを通り越してはじめて『役の優しさ』に近づける。

 

人は誰しも、(本心では)優しさを表現したくても、つい人に冷たくしてしまうことってあると思います。だからこそ、その態度を改めて役の深い心情を表現できたとき、観客は、そのひたむきな俳優の努力に感動を感じるのかも知れません。

 

なぜ、マーロン・ブランドさんがポール・ムニさんを最も尊敬する俳優として位置づけたのか?演技能力の高さや才能だけではなく、役のアプローチに対するひたむきな努力を感じたからだと私は想像します。

つまり、人間性に惚れたのでしょう。

ぜひ、機会があればこの映画を鑑賞してみてください。

では、皆さま、今日も人生の良きステージを!

 

 

 

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