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演技とスピリチュアルスピリットの密接な関係性について

      2016/09/01


皆さん、こんにちは!

映画の脚本、舞台の戯曲において、様々な役柄を存在します。世の中に、性格、人間性、年齢などなど無数の人々が存在するのと同様に、役柄も多種多様です。そして、現代劇、古典劇をはじめ、架空の国の話、おとぎ話を含めると、役柄は『無限の人数』ということになります。

 

俳優は、多くの場合、同じ役を永遠に演じるのではなく、与えられた新しい役にチャレンジしていかなければなりません。与えられた役が決まると、本公演当日までに、役の研究(準備期間)がスタートします。台詞を覚えることから始まり、と同時に、役がどのような人生を過ごしてきたかの分析が必要となります。

 

出身はどこか、年齢は幾つか、家族構成はどうか、というシンプルな理解が出来れば、役を完全に演じ切れるのなら、苦労はしないでしょう。しかし、難しいのは役の持つ心境や感情が複雑だということです。たとえば、この複雑性は、自分の心を見つめると理解できるでしょう。

俳優自身が持つ心境の移り変わりと同様に、役も様々な心の移り変わりを持ちながら、人生を過ごしたきたからです。それゆえ、俳優は、「人間が持つ心」についての理解と研究を普段から努力する必要性に迫られます。

 

ジョン・スタインベック著作の『二十日鼠と人間』という小説があります。演劇を意識した作品として著者が描き、世界中で舞台化されている名作です。1930年代、大恐慌のカリフォルニア州における出稼ぎ労働者ジョージとレニーが主人公。頭の非常にきれるジョージに反して、レニーは大男で怪力だが、頭の回転が悪くどこでも問題を起こす人物として描かれています。

 

この二人が、「どこでどのように出会った・どのような縁があって共に行動してきたか」を示すヒントは作品中に、どこにも見当たりません。(※兄弟でもありません)
ジョージは、とても頭が良い男性なので、一人でも生きていけます。ところが、レニーと共に行動を続けています。レニーとともに仕事するとメリットが多いのなら、共にすることも理解できます。

ところが季節労働者として仕事を転々とする中、どこに行ってもレニーはトラブルを起こし、二人とも行く先々で仕事をクビになっています。ジョージにとっては、レニーとともに仕事をするメリットが全くありません。むしろリスクにのみです。

 

それでも、ジョージはレニーと離れようとしない・・・。
では俳優が、「このような関係の二人を演じることになったとき、どのするか?」が課題となります。ジョージにしてみれば、レニーは、自分の将来の足枷になる可能性があります。一回だけでもなく、何度も、どこの職場でもトラブルが続く・・・。しかし、彼を見捨てず、離れることがない。

ジョージにとって、離れたくない運命的な何かをレニーの中にあるのかと過程すれば、「ソウルメイト」なのかも知れません。つまり、『魂の世界』での結びつきです。このように想像すれば、彼らは、スピリチュアルな関係と認識できるわけです。

 

人を演じる上で、運命的な出会いや関係を追求していけば、演技が、いかに奥が深いかを認識することも出来ます。それには、精神世界に関する知識も学ばなければなりません。そして、そうしたスピリチュアルな認識が深ければ、役を演じることの『奥ゆかさ』を痛感することもあるでしょう。それは、役を研究することの喜びになると思います。

このように人間を演じる限り、演技とスピリチュアルスピリットは、密接な関係にあります。あとは、俳優自身が持つ認識の高さです。目に見えるものだけではなく、魂や運命など目に見えない世界に目を向けられることが出来るかどうか。

その俳優自身の追求力に掛かっていると思われます。
「身体、心、魂」
人間に関わる全てに目を向けてこそ、どのような役も演じることが可能となります。

 

では、皆さん、今日も人生の素晴らしいステージをお過ごしください!

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 - 演技・演劇