俳優たちよ、台詞(セリフ)は「、」と「。」で、切るなかれ!
2017/07/17
皆さん、こんにちは!!
本日は、ひさしぶりに、演技のカテゴリーについての記事です。
俳優・役者は、役柄が与えられたら、必然的に台詞(セリフ)を与えられます。
では、どのように、その台詞を覚えて、実践で発するべきか?
(意外に知られていない)一つのルールを今日はお教えします!
私の演技の師であるニューヨーク・アクターズ・スタジオ正会員ゼン・ヒラノ氏から、口酸っぱく言われたことがあります。
『台詞(セリフ)は、「、」と「。」で切らずに言いなさい。』
『日本の俳優は、特に 「、」と「。」で切りながら台詞を話すケース(癖)が非常に多い。』
つまり、句読点で区切りながら台詞を言うことに対して、それは不自然で、リアリティーという観点からして、あまり良くないということです。
句点=(、)
読点=(。)
この二つの記号を意識してしまうことで、台詞が、ブツ切れになってしまっているケースです。
皆さん、わかりますか?
では、例をあげましょう!
たとえば、以下のような台詞があったとします⤵
「こんにちは! ご主人、私に、お茶を、一杯くれないか?」
喫茶店やレストランに入って、マスターにお茶を要求することを想像させる台詞です。
この例文に対して、「、」で区切る台詞の言い方とは、どのような場合かと申しますと、
『ご主人』と『私』の間に、「、」がありますよね。
『私に』と『お茶を』、『お茶を』と『一杯くれないか?』の間にも、「、」がありますよね。
この「、」のときに、0.5~1秒間くらいの『間』を置きながら、読んでしまうことです。
「こんにちは!! お主人(間) 私に(間) お茶を(間) 一杯くれないか?」
と、発してしまうということです。
しかし、皆さん、よく考えてみてください。
実際に、喫茶店に入って、ドリンクなどを注文するときに、例文のような文を、区切って、区切って、店員に伝えますか?
「こんにちは!ご主人 私にお茶を一杯くれないか?」
と流暢に伝えますよね!?
ところが、俳優・役者が、なぜ台詞にあると、「、」と「。」で区切って読んでしまうのでしょう?
その答えの一つは、台詞を間違えないようにするためです。
区切って話したほうが、覚えやすいし、台詞のミスを少なくすることに繋がります。
台詞ミスを回避するための対策です。
しかし、残念ながら、こうした俳優の思惑で台詞を発してしまうと、『リアリティー』は限りなく遠ざかります。
自分が演じる役が、どうしても言葉に詰まらせて、なかなか発言できず、意を決して、相手に言葉を放つという状況ならば、「、」と「。」で区切る台詞の話し方も、リアリティーが伴うでしょう。
ただ、そうではない限り、どの台詞に対しても、なんでもかんでも、このような区切った台詞の話し方をしてしまうと、やはり非現実的になります。
ありきたりの生活のシーンでは、非常に問題点の多い話し方となります。
余談ですが、数年前、戦国時代を背景にした大河ドラマを観ていたときです。
旅の道中、主人公が、お茶屋に入って、店の主人に
「おい、お前、拙者に、お茶を、くれぬか!!」と発するシーンがありました。
ところが、この主人公を演じていた俳優さんが、(なぜか)怒鳴り口調で、「、」で台詞を区切って、この台詞を発しました。
ただ単純に、主人子が喉が渇いて、お茶を飲むために店に寄っただけのシーンです。しかし、このように台詞を発してしまったため、リアリティーは全くありませんでした。(残念)
俳優って、台詞を与えられると、構えてしまうものです。
ぜひ、構えずに、日常会話でやっているように、流暢に話してもらいたいものです。
(※ただし、ここで注意。もし演出家に、「、」と「。」で区切った台詞の話し方をするように命じられれば、素直に従ってくださいね!)
皆さん、いかがだったでしょうか?
これから、テレビドラマや映画を鑑賞する際、この記事の情報をもとに観ると、面白いかも? (笑)
では、本日も素晴らしい人生のステージをお過ごしください!!