「答えはひとつである」が前提の、日本の入試の問題点~教育者・福原正大さんの言葉が身に染みる~
2017/01/12
皆さん、こんにちは!!
俳優の素質にもっとも必要な要素として、「想像力」が挙げられます。想像力が高ければ高いほど、役をリアルに演じる手助けをしてくれることは間違いないでしょう。
ところが、想像力や感性や感覚と言ったものは、目に見えないものです。それゆえに、数字化することが出来ません。どれだけ想像力が高いかを判断しにくくもあり、苦労する点です。
言い換えれば、暗中模索の中、役を演じることに取り組まなければなりません。
「自分の「想像力=イマジネーション」は、どれくらいのレベルにあるのか?」
「どの程度まで、(役に)上手く作用しているのか?」
「役を演じるときに、どの程度まで想像力が発揮されているのか?」
明確な答えがないために、あとは自分を信じるのみ・・・。
全ての芸事において、「いつまでも追求する必要があり、到達点がない」と言われるのは、想像力そのものが無限に高められるからでしょう。また、それが『見えない力』であることにも、起因されていると思います。
すべての芸術は、個々の想像力なくして成り立たないものであり、まさに『答えがない世界』に飛び込むことを意味していると私は思います。
日本の教育者である、福原正大さんが、このようなことを述べています。非常に参考になる『メッセージ』なので、シェアさせて頂きます!
「日本の入試は中学から大学まで、答えはひとつであるという前提で作られています。それに合わせて学校でも、答えがある問題を出して、その解き方を教えています。そういった教育を通して、『答えはひとつ』と植え付けられているから、答えが出ない現実の問題に対応できない面があるのではないかと思います。」
福原正大(ふくはら・まさひろ)さんの経歴は、こちらです⤵
●慶応義塾大学卒業後、東京銀行勤務、仏INSEADでMBA取得を経て、世界最大の資産運用会社バークレイズ・グローバル・インベスターズに入社。同社最年少マネージングダイレクターなどを務める。世界レベルのリーダーの中に日本人がいないことに危機感を覚え、金融から教育の世界に転身。小中高生向けのグローバルリーダー育成の「IGS」を設立した。
福原さんの言葉には、とても重みがあると私は思います。ちょうど、中学・高校と、受験戦争の真っ只中の時代に生きていた私にとっても、痛感せずにはおられません。
皆さんにとっても、心当たりのあることが多いのではないでしょうか?
ある一つの問題(=問い)に対する一つの答えを追っていく。その一つの答えが正解なら、点数がアップする。日本の入試では、ほぼ全ての教科で、こうしたスタンスで問題が学生の前に掲示されます。
ある一つの問いに対して、2つ以上の解答があるというケースなど、ほぼ皆無に等しいでしょう。
そうした教育を受け続けた人々にとって、人生においても、「○○は、このように、あらねばならない。」「○○は、このようにあるべきだ。」という決めつけと、ステレオタイプな心理に陥ってしまうのではないでしょうか?
固定観念と、一定の価値観に収まり続ける習慣が、根付いてしまうものと思われます。(※それ以外は、排除する意識の芽生えにも繋がるかも知れません。)
こうなってしまうと、不透明な時代の変化に対応できなくなります。
これまで、「これが答えだ!」と思われていたものが、そのカテゴリーでは理解不能なことが起きた場合、どのように対応するでしょうか?
まず、混乱(パニック)が起きるに違いありません。
まさに、『目に見えない何か』が起きているからです。
日本が、あらゆる分野で取り残されていると言われている所以は、こうした教育が成されてきたことが、大きな要因であると私は思います。
世間一般の物事の考え方も、もっとバイタリティーがあれば、様々な面で改善されていたかも知れません。
「答えは一つしかない」という固定観念から逸脱した、自由な発想力と想像力。まさに、答えが明確化されない事象に関して、パニックにならずに、現実的に対応する能力の高まり。
教育の改善も大事ですが、個人の意識改革も必要不可欠でしょう。
演技という創造活動に接している私個人にとっても、そして受験戦争のタイムリーな経験者である私個人にとっても、この福原さんの言葉は、身に染みる思いでした。
答えに縛られない無限の創造性が、人間には秘められていると思います。
この記事が、参考にあれば幸いです。
では、皆さん、本日も、かけがえのない人生のステージをお過ごしください!!