羽生結弦選手と宇野昌磨選手が『至高の存在』になった理由とは? ~マイケル・チェーホフ・メソードテクニックからの考察~
皆さん、こんにちは!!
もうご存知だと思いますが、2018年2月17日、平昌五輪にて、羽生結弦選手が金メダル、宇野昌磨選手が銀メダルを獲得しました。
日本におけるフィギュアスケートでの偉業のみならず、世界のスポーツ史において、燦然と輝く『勝利』だと思われます。
フィギュアスケートの専門家など、二人の演技についての専門的な解説や評価は、メディアに数多く掲載されています。
当ブログにおいて、そうしたフィギュアスケートにおける専門的な知識とは、また別に、二人の五輪史に残る演技について、独自の見解・視点を記事内で展開していきます。
宜しくお願いします!!
タイトルにもあるように、マイケル・チェーホフ・メソードテクニックというものが、俳優を対象にした演技技術方法として存在します。
これは、1900年代初頭、ロシアが生んだ最大の俳優の一人であり演技教師でもあった、マイケル・チェーホフ氏が体系化したテクニックです。
身体の表現の向上、リラックスの強化、イマジネーションをさらにアップするためのノウハウが凝縮された至高のテクニックです。
体系化された、と書きましたが、いくつもの訓練方法が、網羅されています。
その中に、『4つのクウォリティー』というものが存在します。
これは、①フライング(軽やかさ) ②モールディング(力強さ)③フローティング(静けさ) ④ラジエイティング(明るさ) の4つの質を身体の動きと心理を駆使して、表に表現するための訓練方法です。
◎羽生結弦選手の五輪でに演技は、まさに①フライング(軽やかさ)に当たると思われます。まるでスケートリング上を空中浮遊するような軽やかさ、そして優雅さ。
動きが途絶えることがなく、まるで鳥が悠々と空を飛んでいるような印象も・・・。あるいは、白鳥が、湖の水面スレスレにて、滑空しているような・・・。
4回転ジャンプの超高度な技術に加えて、ここに究極の軽やかさ・リラクゼーションが加味されているわけですから、他者の追随を許さないのは当然と言えるでしょう。
『軽やかさはアートである』とも言われています。もはや、羽生結弦選手の演技は、競技を超えた『芸術の世界』に到達していると言えるのではないでしょうか?
身体的表現能力に加えて、(形だけではない)心理的表現が合わさった演技を五輪の大舞台で成立させるわけですから、もはやスポーツ選手という枠組みでは留まらないと思われます。
まさに、鳥でも成しえないくらいの『軽やかさの権化』とも言えます。
賞賛の言葉をいくら積み上げても足りないくらいだと思います。
なぜなら、羽生結弦選手とは、その存在自体が、『アート』そのものだからです。
スポーツに芸術を持ち込み、世界中の人々を魅了した『現代最高のアーティストの一人』だと断言しても、言い過ぎではないと私は確信します。
〇一方、見事に銀メダルを獲得した宇野昌磨選手の五輪での演技は、②モールディング(力強さ)に当たると思われます。
羽生弓弦選手とは、また一味違う『内面的な力強さ』を感じざるを得ません。(※衣装の選択が、それを物語っているようにも思われます。)
若さゆえに醸し出される意思の強さ。若さゆえに持ち得る、ブレない精神。
ただ、ひたむきに、演技に没頭する姿そのものが、『モールディング・クウォリティー』そのものであると私は感じました。
初出場にして、銀メダル。この偉業は、宇野選手の精神力の高さであり、身体から醸し出される『質』そのものが、表現そのものとして合致した状態に見えます。
羽生結弦選手、宇野昌磨選手、感動をありがとうございます!!
天才俳優にして、偉大なる演技教師であったマイケル・チェーホフ氏が生きていたら、二人の演技を見て、どう思われるでしょうか?
「私が、真に表現したかったことを、彼らは、やってくれた!!」
そのような言葉を贈るような気がしてなりません。
(最後に、この記事を書くインスピレーションを与えてくれた俳優仲間の田村氏に感謝致します!)