『自分のことは、自分でも解らない事実』 ~私のマッサージ店での体験。そしてスタニスラフスキー・システム発端の理由について~
皆さん、こんにちは!!
『自分のことは、自分で、よく解っている』
『誰よりも、自分自身のことを、私は知っている』
このように、他者に公言する人は、世の中多いと思います。特に、他人から、強くダメ出しを受けたり、忠告されたりしたとき、このような言葉で反応するケースは多いでしょう。
私も、その一人です(笑)
まあ、誰しも、自分については、理解しておきたいものです。『自分を知らない』となると、不安になるからです。そもそも、『知らない』ということ自体、不安を誘う要素があるのだと思います。
「あなた、そんなことも知らないの?」
皆さん、このように言われると、腹が立ちませんか?
自分の無知さを糾弾されたかのように思い込み、怒りの感情が浮上する人も少なくないと思います。
『知らない』という事実に対して、恥を感じたりする・・・。そうならないように、知ることに対して、執着してしまうのでしょう。(※知識詰め込み型の教育を受けてきた人にとっては、なおさらだと思います。)
「無知=不安」 ※その反対も、しかり。
それ故に、自分のことを知らないとなると、一層、不安になるに違いありません。
むしろ、そのようにならない人は、幸せですかね?(笑)
先日、あるマッサージ店に行きました。
全身もみほぐしのコース(60分)を選んだですが、マッサージ師の方が、「どこか、凝っている箇所は、ありますか?」と聞いてきました。
私は、「背中と、腰を重点的にお願いします。」と答えました。
で、その二箇所を重点的に、揉んでいただき、そのあと、マッサージ師の方が、肩を揉み始めてたときです。
「背中や腰以上に、肩が凝っていますね~!!」と、私に発言してきました。
正直、少し驚きでした。とりわけ肩凝りに悩まされていたわけではなかったので、この部分は、さほど凝っていないと思っていました。
ところが、実際、マッサージを受けて、すごく凝っているのが明確になりました。
そのとき、ふと過ぎった言葉が、これです↓
「案外、自分のことは、自分では解らない・・・。」
この日のマッサージでの出来事からすれば、この言葉は、真実ですし、的を得ています。また、明白です。
俳優の演技技術と、その訓練を体系化した、ロシア発「スタニスラフスキー・システム」というものがあります。
1880年代に構築された俳優専門の訓練方法です。
この訓練方法が、開発された発端は、何か、ご存知ですか?
それは、こちらです↓
【ある俳優が、自分が完璧に表現できたと確信した演技と、観客が見た自分の演技の印象が、大きく違っていた。それに対して疑問に思ったこと。】
その俳優は、「自分では演技的に最高の表現が出来たこと」に満足して、意気揚々として舞台に降りたら、一転、観客や批評家から、「不評の嵐」を受けたそうです。
この俳優が受けた悩みと落胆を機に、俳優の演技的表現が、正確に観客に伝わるためのトレーニング方法の構築を、ロシアでスタートされたとのことです。
(※昔の人の、研究心の凄さをここから垣間見れます)
これと良く似たことが、マッサージ店で起きたのだと私は、思いました。
ビデオカメラやスマホでの動画で撮影された自分の姿・動作を見て、まったく違う印象を受けたことはないですか?
なかなか、自分のことを本当に知るの難しいものです。
悪意ではなく誠意をもって、自分のことを指摘する友人がいたら、やはり気に留めるべきでしょう。
『自分のことは、(案外)自分では解らない』
それは、別に悪いことでも負のことでも何でもなく、人が誰しも直面するテーマなのだと思いました。