「いま、この瞬間に生きている」と実感できた体験記
皆さん、こんにちは!!
「いま、この瞬間に生きている」 このように実感する時間を、皆さん、一日の内に、どのくらいお持ちでしょうか?
つまり、過去にも、未来にも囚われないでいる瞬間です。
このような時間を持つのは、なかなか難しいのではないでしょうか?
私自身も、なかなか難しいです(笑)
今回は、数年前に、『いま、この瞬間に生きる』ということを体験し、いまだに、記憶に残っている、私の思い出を紹介したいと思います。
私の演技の師である、ニューヨークアクターズスタジオ正会員ゼン・ヒラノ氏に指導を受けていたときのことです。
ゼン・ヒラノ氏は、現在山梨県の河口湖町に在住し、自然に囲まれた広い邸宅に住まわれています。
広い庭があり、そこには野外バーベキューに使用する木材(=薪)を電動ノコギリで切るスペースがありました。
その場所で、ゼン・ヒラノ氏から、
『時間をかけて良いから、同じ長さに、薪を切るように』というテーマを与えられました。
「どうしても時間を気にして、先を急ぐ傾向にある自分の習慣」「時間を忘れて、集中できない癖」を修正する意図での課題。
私は、指示されたとおりに、同じ長さに正確に薪を切ることに専念しました。
約2時間。
すると、どうでしょう!
『早く切らなければならない』という焦りからフリーになり、同じ長さに薪を切ることに邁進する自分を感じました。
『時間までに・・・』という、いわば強迫観念からもフリーで、薪を切ることに、集中できる時間の所有・・・。
ふと、周囲を見渡すと、涼やかな風の心地よさを感じ、そして、鳥のさえずりが聞こえました。普段、見落としがちだった、自然の美。時間を気にせず、精神が安定して実感を持てました。
逆に言えば、私は、普段、どれだけ、気持ちがセカセカしていたのでしょう(笑)
それから、数日が立ち、改めて、バーベキューゾーンに積み重なっている薪を見つめるときがありました。感慨深い気持ちも起きました。
「あのとき、集中して切った薪が、いま、ここに積み重なっている・・・。」
味わい深くも美しい、たたずまい。急いで切った薪とは、比べ物にならないくらいの親近感。心を込めたからこそ、醸しだされる親しみ。
時間を賭けて切った薪が、どれだけ、しみじみとした味わいを醸しだすのであろうか・・・。愛着があるから、ついつい、見てしまいました。
『今に、集中する』『今に、生きる』ということは、その瞬間、瞬間でのことではなく、そこで終わらず、ずっと、後からも感慨深さと変化して、残っていくものなのではないだろうか・・・。
それが、今に集中するということの、大きな意義ではないだろうか・・・。
そんなことをふと思ったりしました。
『今を生きる・集中する』というのは、その瞬間だけではなく、良い思い出としての余韻を残す効用があると私は思います。
師との、良き思い出の一つです!