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映画『マイ・インターン』~ロバート・デ・ニーロへの絶大な信頼感~

      2016/08/11


皆さん、こんにちは!
今日は、ナンシー・マイヤーズ監督 ロバート・デ・ニーロ、アン・ハサウェイ主演映画『マイ・インターン』(2015年製作)について書きたいと思います。

ニューヨークでファッション通販サイトを運営している女性社長のジュールズ(アン・ハサウェイ)は順調に会社を拡大していた。彼女の会社で、シニア・インターン制度を導入。そこで、70歳の老人ベン(ロバート・デ・ニーロ)が採用される。公私ともに、様々な課題が立ちはだかり、心が折れそうなジュールズ。勇気を与え続けるベン。彼の後押しもあり、ジュールズは目の前の問題に対して前向きに取り組んでいく。

要するに、ある会社の企業に70歳の男性が働きはじめて、長年積み重ねた経験をもとに女性社長をバックアップするというシンプルな物語です。

 

演技的な観点から述べると、なんといっても、名優ロバート・デ・ニーロさんを共演者全員が信頼していることが挙げられます。特にアン・ハサウェイさんは、最初の登場時点で、この映画での役柄を自由奔放に演じていることが、ありありと解りました。まるで、ロバート・デ・ニーロさんという『大船』に乗って航行している感じです。

ロバート・デ・ニーロさんと共に演じられることそのものが、光栄であり、嬉しくて堪らないのでしょう。これは、俳優にとって、とても大きなことです。私も経験がありますが、共演者(パートナー)が高い演技力の持ち主だと、安心して演技に没頭できます。少々の台詞のズレがあったり、段取りを間違えても、その場その場で、「この俳優さんならフォローしてくれる」という信頼性があるからです。

 

舞台で演技をするとなると、いくら場数を踏まえていても、やはりプレッシャーは掛かかってきます。どの俳優も『緊張』にはナーバスになっています。リラックスと緊張の狭間で心境は常に揺れ動いています。本番前にも、本番中でも「もし、失敗したら・・・。」とか「演技表現が上手く行かなかったら・・・。」という危機感は、俳優には根強く存在します。

だからこそ、信頼できる俳優が、そばに居ることだけでも、とてもありがたいのです。良い演技をするための条件は、心身のリラックスが大前提になります。しかし、観客の前で人物を演じる上で、どうしてもプレッシャーが掛ります。ただでさえ緊張状態が続くわけですから、それを少しでも緩めてくれる俳優が存在することは、これ以上に、心強いこともないでしょう。

 

また、ロバート・デ・ニーロさんの演じ方も見事です。
『シニア・インターン制度にて採用された70歳の男性』 ベンは、どこにでも居そうな老人です。この「どこにでも居そうな老人」をありきたりに演じておられます。無理がありません。ベンが、会社に勤めて、そこで見たこと・思った事をそのままに演じているところが見事です。

「演じるには、なにかをしなければ・・・。」と、ついつい俳優は演技に力みが入ってしまいます。しかし、この映画でのロバート・デ・ニーロさんには、それがありません。かつて、映画『レイジング・ブル』など極度の体重増減の試みなどによって、その役への入り込み方に関して演技に対する意識を世界的に変えた俳優です。

しかし、時を経て、今ここに、『ありきたりの老人を、ありきたりに演じること』によりロバート・デ・ニーロさんは、一つの「演技の境地」に達したのではないでしょうか。観客に親近感を生み、誰からも愛される役柄をナチュラルに成立されています。

 

私にとって、この映画は、「ロバート・デ・ニーロさんの映画」だと思います。まるでロバート・デ・ニーロさんのイマジネーションの海に、アン・ハサウェイさんや他の共演された俳優の方々が自由に泳いでいる印象です。

皆さんが鑑賞された場合、この記事が少しでも参考になれば幸いです!
では、本日も、人生のより良いステージをお過ごしください!

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