映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』 ~スーサイド・スクワッドが出来なかったこと~
2017/12/29
皆さん、こんにちは!
今日は、映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』についての私的映画評を掲載します。
この作品は、「マーベル・コミック」のアメリカン・コミックヒーローである『キャプテン・アメリカ』の実写映画化作品であり、第二作目『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014年製作)の続編ともなる、シリーズ第3作品目に位置しています。
第二作目の『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』が、ストーリー性、構成面、キャスティング面など大変好評であり、世界的に大ヒットを記録しました。
その分、ファン待望の第三作目でありましたが、その出来栄えは、どうだったでしょうか?
私自身、この作品は劇場でも鑑賞しましたし、先日DVD化されたこともあり、改めて観ました。
改めて観た感想としては、「観客を満足させる出来栄え」なのではないかと思われます。
第二作目は、主人公のキャプテン・アメリカが中心として描かれていますが、この『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』では、マーベル・コミックのヒーローたちが多数登場しており、時にはキャプテン・アメリカがメインでもあり、脇役でもあるという展開になっているかと思われます。
主な登場人物を列挙しましょう。
キャプテン・アメリカ、
アイアンマン、ファルコン、ホークアイ、スカーレット・ウィッチ、
スパイダーマン、アントマン、ブラック・ウィドウ、ウォーマシン、
ブラックパンサー、ヴィジョン、ジェームズ・バーンズ
ヒーローならびに、そのヒーローたちが関係するメインキャラクターが一気に登場しています。
これだけのメインキャラクターが一つの作品内で、一同に結集したならば、収集がつかなくなる恐れがあるのは当然でしょう。
観客は、誰の、どの部分に焦点を意識して良いか解らなくなるからです。
しかし、第三作目では、(『クリス・エヴァンスさん演じる)キャプテン・アメリカの考え方に同意した側』、『(ロバート・ダウニーJrさん演じる)アイアンマン(=トニー・スターク)の考え方に同意した側』という図式が展開されており、この映画からシリーズを初めて鑑賞した人でも、なんとか理解できる内容にとどまっていると思われます。
これまでのマーベル・シリーズを鑑賞してきたファンには、もっと内容が理解できる範囲でしょう。
どの映画でも「脚本が命である」と言われていますが、この作品は、なおのこと『脚本力で勝負』と言えるでしょう。
マーベル・シリーズの各映画で活躍してきた登場人物の他に、登場を待望されてきたスパイダーマンや、新キャラクターのブラック・パンサーが加わっています。それによって、常連の観客(長らくのファン)にとっては、シリーズそのものの「フレッシュさ」を与えることにも成功しています。
観客のマンネリ感を与えない試みとエンターテイメント性は、観るべきものがあると私は思います。
あえて比較しますが、劇場公開中の映画『スーサイド・スクワッド』では、出来なかった試みだと思われます。『スーサイド・スクワッド』でも多くのキャラクターが登場していますが、各キャラクターの紹介やサイドストーリーが、詰め込まされすぎてしまって、どこに焦点を定めて良いか不明瞭になっています。
(※この点に関しては、9月18日の当ブログ記事:映画『スーサイド・スクワッド』~この映画で観客は何を求めていたのか?~ を参照ください!)
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』は、第二作目の好評を引き継いでの作品ですが、十分見応えのある出来に完成させていると思われます。各ヒーローたちが一斉に集うことで、今後の彼らのヒーローとしての展開を期待させることにも成功しています。
そして、いよいよ、ストーリー上の時間軸として『アベンジャーズ:インフィニティー・ウォー』に続きます。その前段階に位置する本作。難しい位置にある作品ですが、シリーズ全体の役割を見事に果たしていると思います。
この私的映画評が、作品の鑑賞にお役に立てれば幸いです!
では、皆さん、本日も素晴らしい人生のステージを満喫してください!