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映画『デッドプール』~思い出されるエディ・マーフィーのコメディースピリット~

      2017/12/29


皆さん、こんにちは!

本日のブログでは、2016年公開、ティム・ミラー監督、ライアン・レイノルズ主演の映画『デッドプール』の私独自の視点での映画評を掲載します。

「アイアンマン」「キャプテンアメリカ」などで知られるマーベル・コミックのキャラクターを基にしたスーパーヒーロー・コメディー映画です。

 

【あらすじ】
●かつて特殊部隊の有能な用兵だった(ライアン・レイノルズ演じる)ウェイド。彼は、(モリーナ・バッカリン演じる)高級娼婦のヴァネッサと恋仲になり結婚の約束をする。しかし、その直後、末期ガンであることが判明。酒場にやってきたリクルーターの男の誘いがあり、ガンの治療と引き換えに、人体実験の被験者となる。

しかし、その施設において、所長・フランシスによって、細胞を変異させる薬物と投与させられる。ウェイドは、不死身の肉体を手に入れるが、それと引き換えに醜い姿に変貌する。自らを殺そうとしたフランシスの悪行から逃れるために自ら火事を起こし施設から逃れる。

醜い顔に変貌した自分をヴァネッサは受け入れてくれないと思い込むウェイド。元の姿に戻せると言ったフランシスの言葉を頼りに、覆面をかぶり、「デッドプール」と名乗り、姿を消したフランシスを探すため、彼と関係のある組織を襲撃していく。

 

この映画の宣伝文句が、「自己チュウ・無責任・R指定ヒーロー」であり、下ネタやブラックジョーク連発のコメディー映画として『コマーシャル』されていました。

これまでのマーベル・コミック系の映画とは正反対の趣の映画であり、私自身も、「その出来栄えは、どうなのかな?」と思っていました。

鑑賞してみると、「なかなかの出来栄えだな!」というのが率直な感想です。

ライアン・レイノルズさんが演じる『デッドプール』のブラックジョーク満載のマシンガントークと、暴力シーンが場面・場面で数多く出てきます。(※親にとっては、とても、子供には見せらない内容です。)

 

それだけに、下手をすれば、観客から反感を買い、映画の質を完全に下げてしまうでしょう。しかし、そうした『危惧』を払拭しているのは、デッドプールという主人公が持っている『優しさ』が根本にあるからだと私は認識しています。

ここが、この映画の大きなポイントです。
映画の全編を通しての辛辣すぎるかも知れない彼のブラックジョークやスラングは、彼の自己表現における表面であり、その裏には、「恋人に再び会って愛を分かち合いたい」という思いが通っています。

 

実は、このヒーローの心の本質は、この部分にあり、その優しさがあるから、憎めないキャラクターとして成立していると思われます。この映画が結果的に、大ヒットした理由は、ここにあるでしょう。

ブラックジョークは、人に笑いをもたらすと同時に、嫌悪感を与える「危険性」もあります。そうなれば、コメディーとして成り立ちません。キャラクターの深い人間味(ヒューマニティー)から発したブラックジョークならば、それが上手く「オブラート」として包んでくれます。その時観客に受け入れられるコメディーとなるでしょう。

 

私が、「なかなかでの出来栄え」と評したのは、この部分の成立が観られるからです。

この映画で私が思い出すのは、エディ・マーフィーさんの演技です。大ヒット映画『ビバリーヒルズコップ』にも観られるような、マシンガントークとブラックジョークの数々。しかし、それが憎めないのが、エディ・マーフィーさんの持ちうる「人柄」が滲み出ているからです。

映画『デッドプール』におけるブラックジョークの質は、エディ・マーフィーさんの演技的質感に、非常に共通していると思われます。

 

この映画の成功の鍵は、ブラックジョークを観客も受け入れることのできるユーモアに昇華できたことだと思われます。暴力シーンの数々も、そのユーモアの許容範囲であると言えるでしょう。

 

これまでのマーベル・コミックのヒーロー映画からすれば、『挑戦的な映画』の部類です。ジャンルがジャンルだけに、とても映画の成立において、非常に難しい面もあったでしょう。それだけに、この映画を成立させたのは、「さすが!」という言葉に尽きると思います。

 

続編に対する期待感というよりも、「この映画は、この映画として一つの完結」として認められて良いのではないでしょうか?

ブラックジョークの成立には、主人公が持つ「優しさ」無くして、成立しないということを証明してくれる映画。それが『デッドプール』!

 

この記事が、本作を鑑賞の上で、皆さんの参考になれば幸いです。

 

では、皆さん、本日も素晴らしい人生のステージをお過ごしください!

 

 

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 - マーベル映画