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映画『ブラックレイン』~日本人が忘れてはならない「主軸」~

      2016/10/09


皆さん、こんにちは!

今日は、リドリー・スコット監督、マイケル・ダグラス、アンディー・ガルシア、高倉健、松田優作出演の映画『ブラックレイン』についての映画評をブログ記事として掲載致します。

1989年公開の米映画。大阪の街を舞台に、日米の刑事たちが一体団結して、ヤクザと戦う物語。松田優作さんの遺作として、広く知られている作品です。

 

あのセンセーショナルな公開から、27年も経つのですね。

 

●『松田優作さんが、今後のハリウッドでの活躍を期待されながらも、この映画を最後に亡くなられたこと。』
●『高倉健さんや若山富三郎さんという当時の日本でトップクラスの俳優がメインの役で出演したこと。』

 

この作品は、日本人俳優の方々が出演しているだけあって、その内容を論じられる上でも、上記の二点に焦点が当てられることが多いと思われます。

 

しかし、この作品の成立において、忘れてはならないのが、マイケル・ダグラスさんのニューヨーク市警の刑事ニックにおけるキャラクターゼーション(=役の演じ方)であると私は思います。あえて、ここに焦点を当てて、述べていきたいと思います。

 

『妻と離婚して、子供の養育費を稼ぐために四苦八苦している。また麻薬密売事件の売上金を横領した嫌疑をかけられて査問を受ける。刑事でありながら、法律の範囲内または範囲外のスレスレの狭間で、もがいている男。ニューヨークの闇の部分に足を突っ込んでいる、疑惑がつきまとう刑事。』

それが、ニック・コンクリンという男です。このニックを、マイケル・ダグラスさんは、見事に演じられいます。

特に注目は、映画の冒頭の港でバイク競争するシーンから、査問にかけられ、厳しい質問に対して悪態をつくシーンにかけての演技。この序盤のシーンで、この男の人物像が何たるかが、すべて表現されています。

そんな「刑事としては問題児」である男が、(本来心の中に携えている)刑事としての誇りと正義感に駆られて、大阪にまで乗り込み(松田優作さん演じる)ヤクザ・佐藤を追いかけるからこそ、この映画は観客を魅了する『ドラマ』となるのです。

 

このマイケル・ダグラスさんの演技は、本作を鑑賞する上での大きなポイントであることは間違いありません。まさに、忘れてはならない主軸としての、素晴らしい演技です!

 

『(アンディ・ガルシアさんが演じる)チャーリーが、佐藤に殺されてしまう。その後、佐藤の行方を再び調査すべく、松本と共に、アジトに赴く。しかし、手がかりが見つからない。ニックは、かけがえのない相棒を殺され、そして佐藤の行方を知る由もないことに憤りが爆発し、アジト内の棚を次々と倒すシーン』が、映画の中盤に出てきます。

 

このシーンにおけるマイケル・ダグラスさんの演技は、強いリアリティーを帯びています。友を死なせてしまった自分への腹立たしさと、行き場のない怒り。ニックという刑事が持ちうる気性の激しさを全身で表現されています。観客の誰しも、彼の気持ちを理解できるでしょう。

役の持つ気性の激しさをリアリティーを持って表現できるのは、マイケル・ダグラスさんの演技力の高さに他ありません。

 

このシーン以降、ニックが佐藤を捕まえる強い執念の下、行動を展開します。(リドリー・スコット監督の映像美と演出力によって、目が離せないシーンが繰り広げられます。)
このように、マイケル・ダグラスさんの確かな演技表現があったからこそ、松田優作さん、高倉健さん、若山富三郎の演技も光ったことは間違いないでしょう。

 

良い俳優の条件とは、「共演の俳優の演技も高めてしまう能力の持ち主」であると言われています。
まさに、この映画でのマイケル・ダグラスさんの演技表現は、これに当たります。

 

マイケル・ダグラスさんという中心軸が存在したからこそ、本作は、大ヒットし、後年にも語り継がれる完成度に至ったことは、認識すべきだと思います。

日本人だからこそ、日本の名優たちを光らせたアメリカの俳優マイケル・ダグラスさんの存在の貴重さを忘れてはならないと、私は提案します。

 

こうした観点から、映画『ブラックレイン』を再度鑑賞してみることをオススメします!
今なお、色褪せることのない娯楽作品です。

 

では、皆さん、本日も、素晴らしい人生のステージをお過ごしください!

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