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『変身願望』の考察 ~それは、すべての人に備わっている~

      2018/03/09


皆さん、こんにちは!

与えられた役に対して、身体的表現をはじめ、その人物の内面を分析し、リアルの演じ切る。心理も身体も、役そのものになる。それが、俳優・役者の役に対する「真の在り方」でしょう。

 

よくこのような質問を投げかけられることがあります。

「(トニーさんは)変身願望はありますか?」

 

その質問の答えとしてYESかNOかどちらかと問われれば、YESでしょう。

ただ、私の場合に、変身願望があるから、それをキッカケに俳優を始めたのでは無いような気がします。

 

自らの演技力を通して、役をリアルに演じることの醍醐味を知りたいがためにスタートさせた。これが、『動機』として正しいかと思います。

(※俳優をやりたいと思った動機は、人それぞれに千差万別です。)

 

しかし、変身願望に関しては、実践の場で役を演じた時に、「自分には、変身願望があるなぁ」と実感したことがあります。

以前、『私利利欲のために、相手をたぶらかして、持ち金を持ち去る悪意に満ちた男』を演じたことがあります。

 

演出家から、「まるでガマガエルのように、ブテブテと太った憎々しいキャラクターにしてほしい。」という要望がありました。

私は、どちらかと言えば、瘦せ型です。

そのため衣装の着物の下に布類を詰め込んで、腹が出ているようにし、見た目にも、いかにも「傲慢な人物」というキャラクターを創りました。

つまり、普段の自分とは、まったく別人の風貌と体格です。
そうして、その衣装で稽古をして、役に入り込んでいくと、この悪人の心理状態が居心地よくなって、「ずっと、そのままで居たい!」という欲求に駆られてしまいました。

 

役に入り込んで初めて気づいた「(私の中の)変身願望」です。
私の場合は、変身願望を後々気づいたケースとなります。もちろん、はじめの段階として、変身願望があるから俳優・役者を志した方も多いでしょう。

 

~「変身願望」~

この願望は、誰にでも備わっているものだと私は考えます。
先日、ある方が、「ディズニーランドで魔女の仮装をして、その恰好のままでアトラクションを楽しんだ」と、私に話をしてくれました。

日常の自分とはかけ離れたイメージの衣装を着ることで、「とても、ワクワクした感覚になった!」とのことです。素晴らしいことだと私は思います。

 

自分で決めつけてしまいがちな自己イメージとは、全く別の衣装やメイクを施すことで、新しい感覚を知ることも出来ます。また、「自分は、このように在らなければならない。」というイメージを打開し、新たな自分を構築する機会にもなるでしょう。

 

私の知人のエピソードですが、
『いつも黒っぽい服を着るのが好きだったが、人に薦められて赤い服を着込んだ時、実は赤い服のほうが居心地が良く、自分にピッタリだった』

こういう身近な話もあります。

 

自分が抱えていた自己イメージから抜け出して、新たなLIFEを誕生させるという意味でも、「変身」は有効なツールであると思われます。

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「今の自分に満足できない。」
「進化したい。」
「成長したい。」

このような気持ちを人が持つのは、言い換えれば、「違う自分になってみたい!」という欲求の表れかも知れません。

つまり、「違う自分に変身すること」で、次なるステップに進みたいという意味とも捉えられるのではないでしょうか?

 

自らの奥底にある「変身願望」を否定せず、受け入れることで、心の内面で何かがスタートするかも知れません。人に迷惑をかけない範囲で、その願望が健全に成立すれば、新たな認識と成長と発見に繋がるでしょう。

 

『変身願望』とは、俳優やパフォーマーだけのものではありません。

 

では、皆さん、本日も輝かしい人生のステージをお過ごしください!

 - 演技・演劇