「激流に足を突っ込め!!」~巨匠エリア・カザンからのメッセージ~

      2016/11/24


皆さん、こんにちは!

世界の映画史において、一時代を築き巨匠として認知されている映画監督エリア・カザン

エリア・カザン氏は、1944年に製作された映画『紳士協定』では、アカデミー賞作品賞、監督賞、助演女優賞を受賞。この作品を機に、ハリウッド映画界において、確固たる地位を築きます。

また、演出家のリー・ストラスバーグらとともに俳優養成のための学校『アクターズ・スタジオ』を創設。そこで新しい演技法『メソッド』を教授。マーロン・ブランドやジェームズ・ディーンなどの俳優を数多く生み出し、映画俳優の演技法に多大な影響を与えた方です。

 

エリア・カザン氏は生前、俳優を志す生徒たちに、このような言葉を投げかけたそうです。

「激流に足を突っ込め!!」

 

これは、つまり、どのような意味かというと、『大自然のエネルギーを身体全身で体感することで、たくさんのことを学ぶことができる』ということです。

ぬくぬくとして守られた環境に身を置いてばかりではなく、外に飛びだし、自然の強力なパワーを感じることが役を演じるためのヒントになる。その経験が、実際に、さまざまな役の置かれた環境を想像力で体現できる後押しをしてくれるという教えです。

 

私自身の経験をここで書いていきたいと思います。

過去に、このエリア・カザンさんの俳優たちに送った言葉を知り、実際に俳優トレーニングの一環として実行したことがあります。

 

ある大雨の日に、半そで、裸足で、山の中で、ぬかるんだ地面に寝転がり、泥まみれになりながら、身体トレーニングを決行しました。
そして、また別の日には、山梨県忍野村という地区に流れる渓流があり、その激流に飛び込み、流れにさからって泳いだことがあります。

 

この二日間の経験で何を得たか?

「大いなる自然に抵抗できない自分は、もはや思考や雑念からフリーになるしかなかった!」 ということです。

「自然の前では、何も抗ることができない・・・。」という実感。

 

激しい雨が私の全身に降り注ぐ。

泥のぬかるみに足を取られる。

強い川の流れに負けそうになる。

 

こうなってしまうと、普段習慣化されている安定思考からもフリーにならざるを得ません。つまり、自分を守れなくなり、無防備になる。
部屋の中や、日常の社会生活では経験できない心理でもあります。

 

特に舞台では、役それぞれが様々な状況下に身を置いています。
雨にずぶ濡れになりながら待ち人を待つシーン
風の吹き荒れる中で、苦境に耐えるシーン、などなど。

 

ある特定の気候や天気の状況下での役の行動をリアルに演じるには、想像力を駆使する必要があります。

役を取り囲んでいるアトモスフェア(=雰囲気、大気、環境)をあたかも役を演じる上で肌で感じることができれば、観客にも、よりリアリティのある演技が提供できるでしょう。(※かなり、高度な技術です)

そのためには、直に自然に触れて、何かを感じる必要性があります。
エリア・カザンさんのメッセージは、演技の本質に向かうために、最高のアドバイスであると思われます。

 

また、これは、他のあらゆる分野で社会で活躍されている方々にも通じる言葉でしょう。
トレイルランニングやアウトドアが流行の昨今。
それは、日常におけるマンネリ化した生活から、自然に触れることで全身で何かを感じたい思いが強いからでしょう。

 

人は誰でも自然から学びたい願望を持っていると思います。
エゴや思考からフリーにある瞬間が必ず訪れることを知っているからでしょう。

 

本能の赴くままに。

エリア・カザンさんの教えは、俳優のみならず、全ての人に贈ったメッセージであると思われます

 

では、皆さん、本日も輝かしい人生のステージをお過ごしください!!

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